ホモ・デウス

ホモ・デウスを読み進めている。読書における時間的コストがかかりそうだったのでこれまで読むのを遠慮していたが、それ以上に内容が自分の興味をそそるものだったので遅ればせながらとうとう購入してしまった。

自分の琴線に触れた部分などを読書記として追記していく。

 

・歴史を学ぶ理由について

私は歴史という教科が好きではなかった。歴史とはググればいい話であって勉強す理由を見出せなかったためだ。そう考えていた私だったが、筆者は私に歴史を学ぶ最高の理由を教えてくれた。

 

歴史学者が過去を研究するのは、過去を繰り返すためではなく、過去から解放されるためなのだ。

(中略)

歴史を学ぶ目的は、私たちを押さえつける過去の手から逃れることにある。歴史を学べば、私たちはあちらへ、こちらへと顔を向け、祖先には想像できなかった可能性や祖先が私たちに想像して欲しくなかった可能性に気付き始めることができる。私たちをここまで導いてきた偶然の出来事の連鎖を目にすれば、自分が抱いている考えや夢がどのように形を取ったかに気付き、違う考えや夢を抱けるようになる。歴史を学んでも何を選ぶべきかはわからないだろうが、少なくとも選択肢は増える。

(芝生小史 中略)

歴史を学ぶ最高の理由がここにある。すなわち、未来を予測するのではなく、過去から自らを解放し、他のさまざまな運命を想像するためだ。

「ホモ・デウス」書の本筋とは離れるが、示唆に富んでおり、長年の疑問がすっと解決したように感じた。

 

・自己すら虚構

前作であるサピエンス全史では、国家や神や紙幣など想像上の虚構を作り出すことでサピエンスは発展してきたと論じられているが、今作ではとうとう自己すら想像上の虚構であると論じられている。